2009.06.29 09:00:00

Vol.5 祝iPhone3GS発売、そこでスマートフォン雑談(その1)

橘: 青学で、新入生全員にiPhoneを配ったね。あれは、僕らも、いろいろ他の学...

橘: 青学で、新入生全員にiPhoneを配ったね。あれは、僕らも、いろいろ他の学校に話したことでもあるので、iPhoneの使い方としては今後も拡大するだろうね。言ってみれば「新しい生徒手帳」だよな。

小: ふうん。そうですか。でも、なんでiPhone ? ブラックベリーじゃダメ?
橘: その辺は、やはり孫さんのマインドだろう。ソフバンは、こうしたグループウェアとしてのハードという問題意識があると思う。

ドコモがやってるのは、ビジネスマン向けの業務管理ソリューションであって、学生向けではないだろう。コストも高い。大学にMAC配る発想はドコモにはない(笑)。

僕が考えたのは、15年前のコンピュータ専門学校は、入学するとノートパソコンもらえる、みたいなキャンペーンやったから、今はiPhoneでやればいいのではないかと。

小: ああ、なるほど。昔ね、アップルが教育機関に配ったりしていたね。ジョブズがアップルを追放されたあとに立ち上げたNeXTもそう。

その意味では最新のインターフェイスこそ、最良の教育効果を引き出すという発想はアラン・ケイの影響の名残なのかな。

橘: 生徒間同士の通話料は学校側が負担してくれて、タダというのも凄いな。大学以外にも、コミュニティの会員証としてiPhoneを配るというのは、増えるかもしれない。

小: どうせ戯言しか交信しないんじゃない?

橘: なんか、イヤなことでもあったか(笑)。

小: ...いや、噛み合ないほうが盛り上がるかと(笑)。

じゃなくて、どうもその手のデバイスやガジェット配ればいいじゃん的なアイデアは、ハコモノ行政のプチ版みたいで違和を感じるから。

あとの使用法こそ大事だから、配ってなにがしたいのかのビジョンを提示するのが先かと...。それとも使いこなした奴だけついてこい!みたいな...。

橘: iPhoneの面白いところは、インフラそのものを提供して、コンテンツは、アイデア次第で誰でも参入出来るというところだろう。

「美人時計」なんて、思いつきのようなアイデアだけど、ものすごく発展性の感じられるコンテンツだよ。写真集そのものを時計として商品化できるわけだから。

小: ふむ。これは学校で配布するという話とは違いますが、iPhoneのApp開発って採算取れるのかな? 少数精鋭ならイケるでしょうね。

世界相手に開発して他言語化というのが基本になるでしょう。その場合、マーケティングが他民族相手になるなあ。ああ、でも、iPhoneユーザーというワールドワイド な単一民族と看做せばいいのか。

橘: 昔、IBMが日本に力を入れるのは、中国戦略だと聞いたことがあるな。漢字文化をマスターするために、まずは日本で成功させて、次は中国と。

小: まわりくどいなー。いきなり中国行きましょうよ!ニイハオ!

橘: 中国は一応、共産主義国家だしな(笑)。30年前は、アメリカもどうやって商売したらよいのかわからなかったんだろう。

橘: 友人の山崎潤一郎くんが「マネトロン」を作った。これは、70年代初期のブログレファンなら涙モノのメロトロンという楽器をiPhoneで復活。

マネトロン

小: なるほど。わたしは「世界カメラ」とかに夢を感じますね。やはり、iPhoneはただの電話でもなくPC代わりでもなく、新しいコミュニケーション・チャンネルのアンプなんでしょうね。

世界カメラ

橘: 数年前、ドコモの中村さん(中村維夫前社長)のアドバイザーボードのメンバーだったことがあるんだ。そのとき、ドコモが「iモードというプラットホーム・ビジネス」というから、「iモードなんて、ちっともプラットホームではないですよ。プラットホームというのは、8,000万台の携帯電話のハード環境そのものだから」と言っ たことがある。

ネットは、まずハードを普及させなければ意味がないので、iPhoneが日本でどこまで広がるかで、中身の問題も決まってきちゃう。今は、 まだ遊びの段階だから、何でもありで楽しい(笑)。

小: そうですね。皆、信じないだろうけれど、1994年にインターネットの話をしていたら、多くの人から「インターネットなんて流行らない」とか真顔で言われたものです。いや、マジで。でも、電話と同じで、2台くらいじゃ流行るわけないし、コンテンツにならない。

だから、数が普及を加速させるというのは、たし かにそう。ツイッターも最初の頃からユーザーだけど、身の回りの数人がつぶやいていただけでなにが面白いのか理解できず、1年以上も放置してしまった...。

いま、使ってみてその潜在的な力を理解したけれど、何種ものクライアントや検索エンジンが出てきて、さらにパワフルになったよね。

橘: 世界カメラの井口くん(井口尊仁・代表)は、怪しげでいいよね(笑)。一発のプレゼンテーションで世界中で有名になった。彼も、昔オンデマンド出版やってて、デメ研に来たことあるよ。

小: へえ。皆、橘川さんに挨拶に行くみたいな...。影の番長ですか! じゃあ、次回はiPhoneのコンテンツやツイッター話に突入しますよ。この対談、エンジンがかかるのは二回目以降なんだ(笑)。
2009.06.29 09:00:00 | Words by: Yukio Kitsukawa, Hiroto Kobayashi

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Reviewer メディア問題

橘川 幸夫  Yukio Kitsukawa

橘川 幸夫  Yukio Kitsukawa

72年、渋谷陽一と雑誌「ロッキングオン」創刊。全面投稿雑誌「ポンプ」ほか、数々のメディアを創刊。 CGMの草分けでもあり、いまも現役。現在、オンデマンド出版社「オンブック」社長、株式会社デジタルメディア研究所の所長を務める。仔細はこちら。


小林 弘人  Hiroto Kobayashi

小林 弘人  Hiroto Kobayashi

94年、雑誌「ワイアード」創刊。雑誌「サイゾー」からブログメディアの「ギズモード・ジャパン」まで数多くのメディアを創刊。眞鍋かをりのブログ出版ほか、IT業界の仕掛人として知られる。ウェブメディアの草分けでもあり、いまも現役。現在、株式会社インフォバーン代表。近著に『新世紀メディア論 新聞・雑誌が死ぬ前に』。仔細はこちら。